crosstalk
2014.09.04

暮らしかた冒険家 meets

volume 2鈴木菜央×伊藤菜衣子 「OFF GRID LIFE 」対談

  • Textアサイアサミ

第二回|モノや暮らしを選んできた結果、意図せずオフグリッドしている

「わたしたち電力」の公式ウェブサイトがリニューアルをして、ウェブマガジン「OFF GRID LIFE」になりました。 わたしたち電力の“言い出しっぺ”のグリーンズ代表・鈴木菜央(以下菜央さん)と“プロデューサー”の暮らしかた冒険家・伊藤菜衣子(以下菜衣子さん)らが新創刊した「OFF GRID LIFE」。 「OFF GRID LIFE」のコンセプトは『なにかに依存する“つながり”を減らして、よい“つながり”を増やしていく』。菜衣子さんは、暮らしかたの冒険をするなかで、気がついたこと、脱原発運動のなかで生まれた違和感。この2つを丁寧にウェブとコンテンツに反映した、と言います。
みんながエネルギーを減らしたりつくったりすることから、面白いプロジェクトが誕生しています。そんな面白い実験が今日本中で行われている中、「とにかく面白くて人とつながれて、楽しいからやる」をモットーにはじまった「OFF GRID LIFE」。 オフグリッドをめぐる菜央さんと菜衣子さんの暮らしは、エネルギー問題に限らず、斜め上いく暮らしの発見が多々あるようです。

菜央:なぜ菜衣子が札幌に居るのか、そこでなにをしようとしているのかわからない人が多いと思うんだけど。

菜衣子:札幌はね、坂本龍一さんの無茶ぶりで住み始めたの。「君たちの暮らしはアートだ!」って言われて、札幌国際芸術祭のアーティストとして来たの。この2年くらいずっと札幌を視察して、わたしたちはどういうところに住むのかと、ふらふら見て歩いてた。そして今年の5月18日から札幌に居るのかな。

菜央:見て歩いたのは、札幌のどこに住むかって検討しながら歩いてたの?

菜衣子:そう、どこに住むかもだし、どんな人がいるのかもだし、どんな資源が余っているのかを見て回った。たまたまわたしの元実家が札幌郊外に空き家としてあって、そこで暮らす事になったんだけど。

暮らしかた冒険家は「札幌国際芸術祭」で暮らしを出品中。 http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/

暮らしかた冒険家は「札幌国際芸術祭」で暮らしを出品中。
http://heysapporo.meoto.co/

菜衣子:札幌=めっちゃ寒いみたいなイメージがあったから、エコハウスにすることは必然と考えていて。
札幌のサラリーマンは、冬に会社から年間10万円暖房手当っていうのが出るのね。北海道の冬は、灯油代が一タンク(北海道の一般的な家には屋外に灯油を入れておく大きなタンクを常備していることが多い)4万円くらい、それを一冬でだいたい3回くらい入れるから、合計約12万円かかる。
でも、わたしたちはフリーランスだから暖房手当なぞない。誰も暖房手当払ってくんない(笑)。温暖な地域に住むよりエネルギーコストが10万円以上上乗せされちゃうのが如実なわけ。
熊本の町家では薪ストーブ使っていたけど、熊本でも薪、たくさん使ったのに、北海道だったらあの何倍薪が必要なんすか?!…って気持ちにもなるでしょ。そうなったとき、暖房費が少なく済む、断熱やエコハウスに向かっていった。

熊本の家1

築100年の熊本の家。

築100年の熊本の家。

菜衣子:熊本の家も築100年の古民家を改修して住んでいたからめちゃくちゃ寒くて、3年間暮らした結果「家が暖かいことは正義だな」って思うようになっていたから、築30年の札幌の空き家をエコハウスにしてエネルギーを少なく、めっちゃ快適に過ごせる家にすることが第一だと思った。

あとね、うちから徒歩3分くらいのところが「市街化調整区域」っていうのに入るの。それって「もうインフラとか届いてないから特別な理由が無い限り家を建てられません」なエリア。歩いて3分先までインフラが到達していないってことは、我が家は20年後どうなっちゃうの?って。そうなった時に『あれ?もしかして、いままでエネルギーのことを考えていたけど、インフラ自体のことも考えなきゃいけないんじゃないかな』と思ったの。
それで急にオフグリッドに興味が湧いた。日本でオフグリッドっていうのは、イコール電気のことと思われがちだけど、生活に関わるエネルギーすべてだよね。

上下水道、電気、ガスなどを含めてエネルギーをどういう風にデザインしていけばいいんだろうって、それが気になり出したの。
すごくオフグリッドな生活ってすごくリアリティがある。札幌にきてリアルになった。まぁ、世の中的には全然リアリティないと思うんだけどね。ちょっと早過ぎるリアリティがわたしに降りてきた(笑)
わたしはこの数年間、美味しい、うつくしい、楽しいとかを軸に、モノや暮らしを選んできた結果、意図せずオフグリッドしていることが多くなってきている。

つづく