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2014.09.11

暮らしかた冒険家 meets

volume 2鈴木菜央×伊藤菜衣子 「OFF GRID LIFE 」対談

  • Textアサイアサミ

第四回|古いグリッドから離れて、新たなグリッドを見つけ出したい【最終回】

「わたしたち電力」の公式ウェブサイトがリニューアルをして、ウェブマガジン「OFF GRID LIFE」になりました。 わたしたち電力の“言い出しっぺ”のグリーンズ代表・鈴木菜央(以下菜央さん)と“プロデューサー”の暮らしかた冒険家・伊藤菜衣子(以下菜衣子さん)らが新創刊した「OFF GRID LIFE」。 「OFF GRID LIFE」のコンセプトは『なにかに依存する“つながり”を減らして、よい“つながり”を増やしていく』。菜衣子さんは、暮らしかたの冒険をするなかで、気がついたこと、脱原発運動のなかで生まれた違和感。この2つを丁寧にウェブとコンテンツに反映した、と言います。
新しい暮らしは「ガマン」の必要がない、気持ちのいい暮らし、と2人は言います。そんな新しい生活を実践しているひとたちが、本当に「萌える」こと、やってみたいこと、出来そうなことをキャッキャ楽しくマガジンとして伝えていくのが「OFF GRID LIFE」。だって、再生可能エネルギーが「地球に優しい」より、「貴方と今晩の夕飯がとーってもおいしくなる」のほうが嬉しいし、やってみたいと思いませんか?

菜央:オフグリッド。元々の英語は「Off The Grid」でグリッドから切り離して生きていくってことなんだけど、僕たちが言っているオフグリッドってもう少しライトなところまで含んでいるよね。
大きな社会システムの中に依存しないで、なにかをするってことなのかな。気がついてみたら、俺とか都会で暮らしていたときは、でかけた時に喉か湧いても周りは他人ばかりで水はお金を出してペットボトルを買わないと手に入らない。消費はすべてコンビニと大手スーパー。お金がどんどん大企業に集まるようになっているし。グリッドにつながっていなければなにもできない、生きる力、みたいなものがいつの間にか失ってしまったような生活をしていた。消費マシーンみたいにね。そういう大きな依存のしくみに頼って生きているから自分ひとりじゃどう生きていったらいいかわからなくなった。

僕たちが生きていくためには、どういうエネルギーが自分には必要で、どんな食べ物を食べて生きたら自分がハッピーなのか、そしてどうやって、みんなとのつながりを取り戻していこうか。依存関係を考えなおして、自分の足で立つことを考えたい。

中華1

2012年4月、green drinks BOSOで行われた、「春の中華祭り」中華料理は火力が強くないと美味しくない! と、美味しい中華を食べるためにロケットストーブをみんなでつくりました。(菜央さん)

2012年4月、green drinks BOSOで行われた、「春の中華祭り」中華料理は火力が強くないと美味しくない! と、美味しい中華を食べるためにロケットストーブをみんなでつくりました。(菜央さん)

菜央:「Off The Grid」という言葉より、僕たちはもうちょっと緩く、「電気で炊いていたご飯を土鍋で炊いて、電気からオフしてみる」とか「パンケーキをロケットストーブで焼いてみる午後」とか、まずは暮らしの一部をじぶんでやってみる、楽しんでみる。そうすると人と人が協力し合わなきゃいけないから、
「オフグリッド」っていうのは「みんなでつながる社会にしようよ」って意味も内包しているんだと思う。

菜衣子:すべてがスーパーで買えちゃうし、電力会社が自分のすぐそばまで電気を届けてくれちゃうから、不便とか助けてもらわなきゃいけないこととか、ことごとくなくなっちゃっているじゃない?
人と恊働する必要は無いから、孤独になっていく。もちろん、田舎も人付き合いがめんどくさいよ。だから、今回の話は「田舎に帰ろう」とかそういう話しではなく、どういうつながりかたを作っていくと生きやすくなっていくのかっていうことでもあると思うんだよね。
つながりの再定義であり、再構築。が、わたしたちの思っているオフグリッドだね。

菜央:田舎も都会ももう一度、グリッドをつなげ直す必要があるのかも。

鈴木菜央2

菜衣子:だからオモシロイ暮らしをしている人って、田舎にいながら田舎とそんなにつながっていないとか、本当に必要なところとしかつながっていないと思う。

菜央:「隙間」だよね。「都会の中」の「都会っぽくないこと」とか、「田舎の中」の「田舎っぽくないこと」を見つけたり作り出したりしている。

菜衣子:「OFF GRID LIFE」。わたしは、萌えるか萌えないかっていうことを主軸にテーマを決めています。
あと暮らしかた冒険家自体がそうだけど、マーケティングとかは一切してないし、自分が本当に楽しいと思うかどうかで色々進めてみる。

伊藤菜衣子

菜衣子:わたしたちは暮らしかた冒険家で、たまたま無茶なセルフリノベとかしていて(笑)建築家業界の人やリノベ業界の人とか、小商い(スモールビジネス)を面白くやっている人とかが周りにいるから、そういうのを引っ張り出してきて見せていくみたいなことを今回どんどんしていく。色んなジャンルでね。

今回わたしが3年間熊本の古民家で暮らしていたけど、色々やってみて、ガマンして無理してやっていることって、いっぱいあるなぁって思ったんだよね。やってみないとわからないから、やってよかったんだけど。
だからこそ本当に竹内さんと森さんが建てたエコハウスを見た時にちょっとビックリした。
新築で建てる場合、施工費が膨大にかかるから、そこでの違う意味でのガマンが必要になるんだけど、ここには可能性があると思っているから、そこを諦めない。
ガマンしないということが絶対人間の進化につながっていくと思う。
そういうものをどんどん知りたいな、と思っています。

「ガマンしない」に貪欲な家の記事に出てくる奈良県橿原市にある、木灯館(ことぼしかん、2012)。日本の伝統的な土壁+竹小舞の壁をパッシブハウスレベルの高断熱・高気密仕様に進化させたもの(写真:KEY ARCHITECTS)

「ガマンしない」に貪欲な家の記事に出てくる奈良県橿原市にある、木灯館(ことぼしかん、2012)。日本の伝統的な土壁+竹小舞の壁をパッシブハウスレベルの高断熱・高気密仕様に進化させたもの(写真:KEY ARCHITECTS)

菜衣子:そして菜央くんがトレーラーハウスに住んで3年後なにを思っているか。わたしはそこがすごく気になる。

菜央:いやたぶん「普通に家買うのが一番いいよ」って言ってる、と思う(笑)

菜衣子:話しが脱線するけど、暮らしかた冒険家の暮らしを見て憧れた夫婦二組が離婚の危機になっているらしい。もうなんとも言えない気持ちになるよね…。

菜央:(爆笑)

菜衣子:だから、何事もやり過ぎはよくないなぁ、と。

菜央:楽しいから俺たちはやるけど、あなたもやりたかったら、ぜひどうぞ。
「これいいから、やんなよー」って誘うっていうよりは、死ぬほど楽しそうな様子をどんどん伝えていけばおのずとやりたくなるだろうし、まず、俺らが楽しむのが大事だよね。

菜衣子:今回はみんなを誘わない(笑)。自分たちが一番楽しめることを、垣間見てもらえれば。

菜央:楽しいよ!

9月中旬から、OFF GRID LIFEに後藤正文さんも登場!

9月中旬から、OFF GRID LIFEに後藤正文さんも登場!