crosstalk
2014.09.01

暮らしかた冒険家 meets

volume 1竹内昌義×森みわ 「ガマンしない」に貪欲な家

  • Text石神 夏希
  • Photo池田 秀紀

第八回|お金を使わずに豊かになる暮らしかたとは【最終回】

オフグリッドの暮らしに挑戦している「暮らしかた冒険家」が、『図解 エコハウス』の著書である建築家の竹内昌義さん(みかんぐみ)と森みわさん(KEY ARCHITECTS/一般社団法人パッシブハウス・ジャパン)を訪ね、エコハウスやパッシブハウスについてお話を伺います。 総電力の34%を占めると言われる住宅の冷暖房。家を見つめ直すことで、見えてくる、エネルギーのこと、社会のこと、暮らしのこと。さまざまな視点から、「ガマンしない」に貪欲な家のヒントを探します。
全八回に渡る「「ガマンしない」に貪欲な家」をめぐる対談。最終回。竹内さんと森さんの話から導き出した、暮らしかた冒険家の新たな冒険。完結編です。

お金を使わないで豊かになる

こうして見てくると、「なるべくエネルギーを使わない暮らし」は、「お金を使わない暮らし」と「もっと豊かな暮らし」を両立する、ひとつの解のように思えます。いえ、もしかしたらお金を使いすぎる暮らしが、私たちの暮らしの本来持つ豊かさを、奪っていたのかもしれません。

森:「お金を使わないで豊かになる」というのは、すごく大切な考え方だと思います。私は、貧困を撲滅することが、最終的にはすべての解決策になっていくと思っています。北極の氷がとけると、シロクマが死んじゃうから問題なわけじゃなくて、きっと紛争が起こると思うんです。いま貧しい人がもっと貧しくなったり、命を落としたりしてしまう事態になりかねない。
だからこそ、エネルギーを使い過ぎないこと、富をきちんと分配していくことが大切。そのために今、新しい価値観が必要なのだと思います。

ジョニー:「エコ」って、もうあたりまえのこと。でも2014年の時点ではまだ「エコ」という枕詞を使わなきゃいけないこと自体が、社会が成熟していない証拠なんじゃないかな、って。でもきっと、数十年後には当たり前のことになって、その頃には「エコ」なんてわざわざ言わなくてもよくなるんじゃないかな。
「オフグリッド」という言葉も、今はまだ突飛な話に聞こえる人が多いかもしれないけど、どこまでそんな風にあたりまえになっていくのか、楽しみです。

どこか、“がまん”や“清い貧しさ”を感じさせる「省エネ」や「エコ」という言葉。そうした言葉自体がもう、旧世代のものになりつつあるのかもしれません。次に求められている新しい価値観はきっと、「もっと贅沢で、もっと快適なほうを選ぶ」「いやなものにはNOを言う」といった生き方を表現したものになるのでしょう。エネルギーは、使いたいけどがまんするものじゃない。使いたくないエネルギーは、使わないのです。

菜衣子:今日はおふたりのお話を聞くことができて、未来は明るいなって、すごくわくわくしました。本当にどうもありがとうございました!